祖国も安寧も、私から全てを奪ったのは、かつて再会を願った“彼”だった。
その身分故、城に軟禁されていた王女トリウィアは、ある日、祭りの騒ぎに乗じて城を抜け出した。
その先で出会ったのは見たこともない異国の品々と、不思議な瞳をした男の子・リヒト。
一緒に祭りを楽しむ内に二人は意気投合し、「大人になったら、一緒に外の世界を旅しよう」と約束を交わした。
――そして、八年後。
トリウィアは成人を迎え、旅に出ようとしていた。
かつて約束をした“彼”に再び会うために。
そんな矢先、彼女の祖国を敵国が襲撃する。その首謀者は、再会を夢見た彼で――!?